2020年9月ソロ・リサイタル プログラム

ラヴェル

ソナチネ 嬰ヘ短調

I. 中庸の速さで II. メヌエット III. 生き生きと

I. 蛾 II. 悲しい鳥たち III. 海原の小舟

IV. 道化師の朝の歌 V. 鐘の谷

ベートーヴェン

ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 Op.53 「ワルトシュタイン」

ラフマニノフ

コレルリの主題による変奏曲 Op.42 ニ短調

本プログラムについて ― アルセーニ・タラセヴィチ=ニコラーエフ

 

今回披露するプログラム"Immersing―没頭"は長い間温め続けてきた大好きな作品ばかりで組みました。ラヴェルのことを「印象派」として位置付ける音楽学者もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。今回取り上げる「ソナチネ」と「鏡」から私が思い浮かべるのは、とても精巧かつ繊細な表現方法で創られている葛飾北斎や歌川広重といった日本の浮世絵だからです。

 

 ベートーヴェンの「ワルトシュタイン」は、全32曲のソナタの中においても、底知れぬ深みと純粋な神々しさを備えた珠玉のソナタの一つです。ラフマニノフの「コレルリの主題による変奏曲」は、彼の作品の中でも最も謎めいていて悲劇的な雰囲気を湛えています。私はもうずっと昔から絶えずこの曲に心を奪われ続けてきましたが、今回は私が皆さんをこの曲の虜にするつもりです。このプログラム全体を通して、皆様に大きな一枚の絵を見るように感じていただけたらと思います。日本でお会いできることを楽しみにしています!Love Music!